鈴木 弘子(アメフト選手)

Women's Professional Football Player ☆ Betty Suzuki

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まだいけるじゃん

奇跡は起こらなかった。とりあえず試合会場には行こうと思った。コーチとカープールして、まずはハーフタイムショー用の土俵を相撲関係者の家に取りに行く。彼がいろいろ話し掛けるが、腰痛で耳に入ってこない。試合の時に鎮痛剤が効くように、昨日、今日と鎮痛剤を飲んでいないので、かなり辛い。

試合会場に着くも、状況変わらず。さっそくモルヒネをもらって4錠飲む。2時間後に4錠、ハーフタイムに4錠と言われた。ユニフォームやフットボールギアは積んで来なかったはずなのに、なぜか試合会場に届いていた。ルームメイトの仕業??昨晩は家にあったはずなのに・・・不思議だ。

国歌斉唱に古賀さんが浴衣来てくれた。日本舞踊の人たちは着物を着てメイクをするのに、3時間かかるとかで、5時にやってきてくれた。試合に出れないとは言いづらい。2時間後に飲めと言われた薬を飲んでみる。

オーナー、コーチは、状況が良くなったら、ハーフタイムからでも出られないか?と言うが、後半出られるくらいなら最初から出るわ。とりあえずスタイルはできるかと聞くので、最初はそれさえも無理だと思ったが、薬が効いてきたのか、着替えくらいは出来そうだった。

なんかよくわからんが、私のことが問題になっているようだった。なんかよくわからんが相手チームのドクター、トレーナーがやってきた。ドクターストップなのかなぁと思ったが、うちのホームゲームなので、相手ドクターが決定するのはありえない。いろいろチェックされ、とりあえずうちのトレーナーがマッサージが上手いから、うちのロッカールームに来いと言われた。なんかよくわからんが、言われるまま付いてった。
名トレーナーは、結構な年の女性だった。
自分の体は自分で守らなきゃ!なので、良いトレーナー、鍼師、カイロプラクターと、人はいろいろ紹介してくれるが、私は自分で選んだところにしか行かない。でも今の状況は籠の中の鳥、逃げも隠れもできない、どうしよう。

「ベッドにうつ伏せに寝て」と言われた。彼女はそのとたん、私の測弯症を見破り、触る前から、「S字に曲がってるだけじゃなくて捻りも入っている」と言いあてられた。まな板の鯉状態もあり、彼女にかけてみようと思った。30分くらいマッサージとストレッチをかけてくれた。(やっぱり彼女も温めていた)とは言っても力仕事は弟子のトレーナーがやってくれた。

名トレーナー曰く「腰痛の他に別の原因の腹痛がある。それが腰痛を更に悪化させている。とりあえず来週にでも内科の病院
に行きなさい。」と言われた。

彼女のトリートメントによって、特に良くなったわけではない、どっちかっていうとウォームアップをやってもらった程度だった。ただ原因がわかって、気持ちが落ち着いた。冷静になってみると現在の腰痛の状況以外にも、「試合に出たら、一生歩けなくなるかも」みたいな不安が、二の足を踏んでた原因なのかも。確かにおなかも痛かったけれど、6〜7年前に仙腸関節の捻挫って言われたときも同様の腹痛があったので、腰痛から来る腹痛だと思っていた。なんだ半分は腹痛じゃん?!

とりあえず試合に出てみることにした。オーナー、コーチ陣は嬉しそうだったが、普通様子見だったら、オフェンスかディフェンスかどっちかにするだろうと思うのに、全く聞かれず、普通に両面だった。

試合開始、超調子悪し、当然だが、力が入らない、踏ん張れない、って状況だった。あと・・・狙われてた。今まで私のサイドのプレーを避けていたブレーカーズだったのに、私を狙ってきた。それも正々堂々とマンツーマンで来いと思うのに、ダブルチーム、ダブルチームプラスクラックが来る。その瞬間、ギクッと来た感じがして、腰痛が!治った。なぜかその後妙に調子が良かった。結局ディフェンス、オフェンス、キックオフチームにフル出場し、チームNo.1の18タックルだった。

しかし試合は、19対6で負けてしまった。またもやほんとに単純なミスでの負け、僅差だった。

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